ベヒシュタイン
ベヒシュタイン社は1853年、ベルリンでカール・ヘビシュタインによって創業します。「ピアノ界のストラディヴァリウス」と称されるほどの名器として有名で、日本では第2次世界大戦前に、最高峰のピアノの代名詞でもありました。
フランツ・リストは、「28年間貴社のピアノを弾き続けてきたが、ベヒシュタインは最高の楽器だった」と賞賛し、クロード・ドビュッシーは、「ピアノ音楽はヘビシュタインのためだけに書かれるべきだ」と発言しています。クラシック界のみならず、セシル・テイラー、チック・コリアなどのジャズピアニストにも愛され、各ジャンルから演奏性を高く評価されています。
しかし、1929年の世界恐慌では経営が困窮し、第2次世界大戦で工場が破壊されるなどの打撃を受け、設計図などの重要な資料を失うほか、優れた職人も失ってしまい、ほとんどの財産を失ってしまいます。
また、ヒトラーがベヒシュタインについて「第三帝国のピアノ」と称したことからナチス・ドイツに荷担したとされ、戦後は栄光の座を失っていきました。
1962年アメリカのボールドウィン社の傘下へ入り、経営再建を図ります。
1986年にはドイツのピアノ製造マイスター、カール・シュルツェが経営権を買い、念願としていたドイツ人の経営者を持つことができます。その後、積極的に資本増加を行い、1997年には株式会社へと発展し、東西ドイツの統一と共に、ツィンマーマンとホフマンのブランドを傘下にし、ベヒシュタイングループが設立されました。